住宅購入に必要な初期費用とは
住宅の購入に必要なお金は、物件そのものの価格だけではありません。住宅を買って住み始めるまでには、さまざまな諸費用が発生します。これら初期にかかるお金を把握して頭金のほかに考えておかないと、予算オーバーという事態になりかねません。以下の初期費用をきちんと知っておきましょう。
不動産会社に支払う仲介手数料
「仲介手数料」とは、取引態様が「仲介(媒介)」のときに発生する、不動産会社に支払う手数料です。仲介手数料は法律で料率の上限が決められており、販売価格が800万円を超える物件を購入する場合は、「物件価格×3%+6万円+消費税」という速算式で算出できます。
3,000万円の物件を購入した場合の仲介手数料は96万円+消費税となります。100万円にもなるので、「仲介(媒介)」で住宅を購入する際は、必ずこの仲介手数料を初期費用に含めておきましょう。
売主から直接購入する場合(取引態様が「売主」の場合)は、仲介手数料は発生しません。仲介手数料を節約したいのであれば、そういった物件を探してみるのもいいでしょう。
不動産登記費用、税金、保険料
【登録免許税】
これは、不動産を売買することで発生する、登記簿の所有権の保存や移転に伴う費用です。購入する土地や建物の評価額によって、税額は変わってきます。また住宅ローンの融資を受ける際は抵当権の設定登記が必要になるので、その分の登録免許税も課されます。
【司法書士費用】
法務局での登記申請は、大抵は司法書士に依頼することになります。「司法書士費用」とは司法書士への報酬です。当然、自分で登記を行えば司法書士費用は発生しませんが、知識や経験がない人が、自分で円滑に登記を行うのは難しいかもしれません。司法書士費用の相場は事案や内容により幅がありますが、2万円から15万円ほどです。
【その他かかる税金】
不動産を所有すれば、「固定資産税」や「都市計画税」を支払うことになります。毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。大抵、4月~5月頃に管轄自治体から納税通知書が送付され、期限内に支払います。
この制度上では、1月2日以降に購入すれば、買主に課税されるのはすべて翌年からになります。売主側からすると不利益に感じることもありますので、その場合は日割計算にて買主が負担することがあります。例えば、7月1日に物件を購入する場合、以前の所有者(売主)が支払った都市計画税・固定資産税からの半年分を、買主が支払うということです。これは、制度上の取り決めとは関係ないので、物件ごとに異なります。
また、不動産を購入すると、「不動産取得税」が課されます。取得した不動産の評価額に一定の税率を乗じた納税額を支払います。どの程度の税金が発生するのか、あらかじめ確認しておき、不動産取得税の支払い分を用意しておきましょう。
さらに、不動産購入時に取り交わす売買契約書には「印紙税」がかかります。印紙税は、売買契約書に収入印紙を貼付する方法で納付します。納税額は、売買契約書に記載された取引金額に応じて決められています。
【ローン借入時の費用】
住宅ローンを組む場合には、融資手数料が必要になります。金額は、金融機関によって異なるため、借入先への確認が必要です。
【各種保険費用】
住宅ローン融資では、多くの場合、債務者が亡くなった、もしくは働けなくなったなどの理由で返済不能に陥ったときに備えて「団体信用生命保険」への加入が必須になっています。保険料の支払いについては、金融機関によって異なります。一年ごとにまとめて支払っていく場合、金利に含んで毎月支払っていく場合などがありますから、借入先に確認が必要です。
また、資産としての家屋を守るために、火災保険・地震保険などの損害保険の加入も必須でしょう。建物構造や保障範囲によって支払われる保障金額とそれに応じて支払う掛金が違ってきますから、必要な内容をきちんと検討する必要があります。
引越し・家具購入・リフォーム費用も視野に
物件を購入する場合には、新居への引越し費用や家具・家電の購入費用も考えておく必要があります。また、中古住宅で、リフォーム・リノベーションがされていない物件を購入する場合には、リフォーム費用も考えておきましょう。
引越しにかかる費用は、荷物の量、引越し時季、依頼する会社によっても変わってきますが、ある程度は自分で見積もりをして、諸費用に盛り込んでおきましょう。引越し時季が具体的になったら、複数社に見積もりを依頼して、比較検討した上で引越し会社を選ぶことをおすすめします。
家具・家電の購入費や家のリフォーム費用は、必ずしも発生するものではありません。しかし、新居に住むのであれば、新しい家具や家電、そして中古住宅でもリフォームしてできるだけきれいな内装にしたいものです。
こういった諸費用をすべて足すと、新築住宅を購入する場合の初期費用は、物件購入価格のおよそ5%~10%は目安として見込んでおく必要があります。もちろん個々の購入条件、家族構成などによってかなり違いが出てくるので、できるだけ早い段階から必要な費用項目を把握して、資金準備を進めることをおすすめします。
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