理想への近道は「中古+リノベーション」
物件探しのポイント
【リノベーション予算を加味した総予算で物件を探そう】
中古物件を買ってリノベーションする場合、物件とリノベーションの予算を分けて考えずに「総予算」で検討しましょう。分けて考えてしまうと、どうしても予算オーバーしがちになります。しかし総予算を決め、そこからおおよそで良いのでリノベーション用の予算を差し引き、残った予算で収まる物件を探せば、その失敗を防ぐことができます。ちなみにリノベーションの予算は、いろいろな実例を見れば、暫定的な想定ができます。
【一戸建ては築年数と構造を重視】
一戸建ての場合、マンションのような共用部分がないので、リノベーション時の制約が少なく、また住戸内だけではなく外構もリノベーションできるので、物件探しの自由度は高めです。一戸建てで重視したいのは「築年数」と「構造」。一戸建ては劣化しやすい木造が多いので、「築年数」はとても重要です。「構造」についても、その方式によってリノベーションの自由度が変わります。例えば同じ木造でも「軸組構法」と2×4工法こと「木造枠組壁構法」とでは、手を入れられる部分の制約が変わります。
【マンションは間取りより床面積重視】
マンションの場合、まず各区分所有者が任意にリノベーションできる範囲は、「専有部分」に限られます。さらに、専有部分でも構造に影響するコンクリートの柱や梁、動かせない配管部分などは、手を加えることができません。ただ、それ以外は、間取りの自由度は高いです。しかし、構造的には施工が可能でも、管理規約で工事箇所や内容が制限されている場合があるので、注意が必要です。施工の際には管理組合への申請・承認が必要になるので、必ず管理規約を読んで内容を確認しましょう。
リノベーションのポイント
【実例を集める】
「中古+リノベーション」で理想の住まいを実現するには、まずはリノベーションの「実例」を集めて、理想の住まいのイメージを組み立ててみましょう。リノベーション関係の雑誌でもいいですし、インターネットでもさまざまなリノベーション実例が公開されていますので、それらを集めてもいいでしょう。集めた実例から、水回りはこの物件、リビングはこの物件など、付箋などで印を付けておくと良いです。実例には「リノベーションにかかった予算」が掲載されているものもあるので、リノベーション予算の参考にもなります。
【リノベーションの実例でパズルを組み立てる】
リノベーションの実例を集めたら、それらをパズルのようにして理想の住まいを組み立ててみてはどうでしょう。実例の予算がわかれば組み上げたときに、具体的な総予算もおおよそですが見えてきます。総予算が想定を越えたら、部分的に組み替えてみましょう。そのためにも、リノベーションの実例はできるだけたくさん集めておくことをおすすめします。
【依頼先を考える】
理想の住まいが思い描けたら、あとは実現に向けて動きます。リノベーションの設計については、リノベーション施工の専門会社もしくは建築事務所に依頼します。これらの会社の場合、施主の要望に加えて、施工可能な範囲で、想定外のアイデアを提案してくれる可能性があります。
また、地元の工務店でも、多くの施工実績を有する会社があります。打合せの頻度や細部の相談の融通が利くなどで、メリットが出る可能性があります。各会社のホームページには、リノベーションの実例が掲載されているので、まずは気に入った実例を手がけた会社に相談してみるのも一つの方法です。
「中古+リノベーション」のメリットと注意点
【メリット1:費用を抑えて理想の住まいを実現】
中古物件のままだと妥協する部分が多くなりますが、リノベーションを加えると新築並みの「理想の住まい」にすることができます。費用をうまくやり繰りすれば、新築購入よりも安価な金額で設備機能の追加や仕様の変更を施すことが可能で、自分が暮らしやすい住まいを実現できるという点が最大のメリットです。
【メリット2:希望エリアで候補物件を見つけやすい】
新築住宅の用地を探すのは、それだけでなかなか大変です。特に人気のエリアでは、一層見つけることが困難になります。しかし「中古+リノベーション」なら、元の中古物件の数は格段に多くなりますから、希望のエリアでも候補物件が見つかる可能性がぐっと高まります。
【注意点:費用面について】
「中古+リノベーション」は自由度が高い反面、リノベーション費用の上限がないので要注意です。理想を追い求めすぎると、かなりの高額費用になってしまいます。理想の住まい作りができるという意味では、費用対効果は十分にあると言えますが、予算の上限を決めておかないと、どんどん費用が膨らんでしまうおそれがあるのです。一方で、予算を明確にしておくことで諦めないといけない部分が出てくる可能性があるので、資金計画とやりたい事を現実的に検討しておく必要があります。
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